継承語教育を目指すオンライン日本語学習「Learn Japan」

こんにちは!セカイクジ運営代表のRyo@nydewebdesignです。

海外育児の大きな悩みである、子どもの教育。

「せっかく海外にいるんだから子どもはバイリンガルに!」と夢見ている方も多いでしょう。

しかし実際は、都市部から離れていて補習校に行けず、日本語を話すチャンスがない

毎週1時間でも日本語で話す時間を子どもに与えたいけど、子どものやる気がない

様々な要因から、日本語教育を途中で諦めるファミリーは想像以上に多いのが現実です。

今回は、そんな日本語学習の環境に悩んでいる親御さん向けに、オンライン日本語学習サービス「Learn Japan」をご紹介します

Learn Japanとは

Learn Japanは、イギリス・ウェールズ在住のホール典子さんが主宰するオンライン日本語学習サービスです。

オンライン会議室アプリ「Zoom」を使って、マンツーマンやクラス制の授業を行っています。

運営のきっかけ

4人のお子さんのママである典子さんですが、イギリス人のご主人との国際結婚で家庭内が英語であること、また近くに日本語で話せるプレイグループや補習校がなかったことから、お子さんは全員英語が優勢に。

日本語は理解できるものの、ほとんど話さなくなってしまったといいます。

このご自身の経験から、近くに日本語環境がなく、日本語学習をどう進めたらよいのか悩んでいる海外在住者向けにオンラインの日本語学習サービスを立ち上げました

元々はオンラインプレイグループとして活動していましたが、クラス活動が忙しくなってきたため、現在は休止中。

言葉だけでなく、歴史や文化を含めた「日本語」を学習できる場にしたいという思いから、日本語クラスの他にも「授業づくりJAPANの日本が好きになる!歴史全授業」の著者である斎藤武夫先生による歴史教室も開講しています。

目指すは継承語教育

ところで、皆さんは「継承語」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

産まれた時から使っている母国語に対し、「日常的に使わなくても親から継承した言語」という意味で、帰国子女やTCK(サードカルチャーキッズ)の教育概念に対して最近使われるようになってきた言葉です。

Learn Japanが目指しているのは、補習校のような「帰国を前提とした、日本の授業についていくための学習」ではなく、「日本語を継承語として話す、海外在住の日本人向け」の日本語学習なので、特に永住組と呼ばれる、国際結婚などにより日本に戻って教育を受けさせる予定がないファミリーにぴったりです。

9歳の壁

日本では「小1の壁」と呼ばれる生活スタイルの変化が話題になりがちですが、海外在住の子どもたちは9歳ごろで日本語学習の壁にぶつかるケースが多いようです。

それまでは日本語学習に充てる時間が確保できていたのに、だんだんと放課後や週末のアクティビティが忙しくなり、勉強よりお友達とのお泊まり会を優先したくなってくる

その一方で、習う漢字は難しくなり、使う機会のない日本語を学習するモチベーションがどんどん下がってしまうのです。

共感できない日本の教材

また、日本の教科書で当たり前のように使われている「常識」や「慣用表現」が海外在住の子どもたちには難しいといいます。

例えば日本の小1の国語の教科書には「春になったらランドセルの匂いがするね!どんな気持ちがしますか?」や、「桜が咲いて綺麗だね」など、日本に住んでいなければ理解・共感できない表現が多用されています

日本で育ってきた親たちは疑問を感じることなく、そのまま日本の教材を使って進めたがるけれど、子どもは「ランドセルって何?」「桜って何色?」と、学習に入る前からつまずいてしまうのです。

日本人なら当たり前に知っているだろう、という前提が理解できないのでは、学習意欲が下がるのも無理はありません。

楽しく、嫌いにならない日本語

「完璧なバイリンガルではなく、目指すところを少し下げて、『継承語』としての日本語話者を育てるのがLearn Japanの目標です」と話す典子さん。

実際、サービスを利用している子どもの多くは小学4〜5年生で、補習校のレベルについていけない子たちがメイン。

そのほとんどは、親の「バイリンガルにしたい」という意気込みと、子どもの日本語能力やモチベーションが乖離し始め、理想と現実にギャップが産まれた時に、補習校以外の選択肢を求めてLearn Japanに駆け込んでくるパターンなのだそうです。

典子さんは、自身がバイリンガル教育を上手くできなかった経験があるからこそ、「子どもたちが楽しく学べて、嫌いにならない日本語」をモットーにしています。

子どもの「好き」を授業に

Learn Japanのカリキュラムは、独自に作った教案のほかに、オランダのアムステルダムで日本語学習を運営する「てらこや」が作成し、2018年4月に出版もされた「おひさま」などを使って進められます。

他にも、個人授業では子どもの「好き」をうまく授業に組み込む工夫がいっぱい。

例えば、魚が好きな子には魚へんの漢字やことわざをメインに学習させたり、教科書にとらわれず、日本語に苦手意識を持ち始めた子でも楽しく続けられるよう考えられています。

日本語学習の新しい選択肢に

ヨーロッパだけでなく、アジア、アメリカなど様々な地域のファミリーから利用されているLearn Japan。

2019年4月からはカリキュラムを一新し、「継承語クラス」もスタート予定です。

個人クラスでは、オーダーメイドの授業が受けられるのがLearn Japanの最大の強みです。

補習校やご家庭での日本語学習にお悩みの方は、ぜひ一度こちらからお問い合わせてみてください。

オンラインで教えたいという先生も随時募集中です。

Special Thanks : Learn Japan

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